鳴海 智之(なるみ ともゆき)

概要

英語教育学、応用言語学を専攻。心理言語学的・神経科学的アプローチにより、学習者が英文を読む際の文処理プロセスと、熟達化に伴う処理の自動化の過程を研究しています。

研究キーワード

  • 英語教育学
  • 心理言語学
  • 第二言語習得
  • 外国語教育
  • 語彙学習
  • 文理解
  • 文産出

メッセージ

人がことばを理解し、産出し、学習するにあたっては、様々な理論的背景が存在します。確かな理論に基づいて自身の授業実践を振り返り、改善することを通して、より良い授業実践ができるようにしていきましょう。

研究事例

事例① タスクが日本人英語学習者における統語情報処理の自動化プロセスに与える影響(平成27~29年度科学研究費助成金 若手研究(B))

外国語として英語を学習する日本人英語学習者を対象に、文読解時に副次的に課される言語処理タスクの種類が統語解析プロセスにどう影響を与えるのか検証を行った。その結果、日本人英語学習者は統語情報に注意を向けない限り、意味主導型の処理を行っており、それは学習者の統語処理機構が文読解時に起動していない、または効率的に運用することができないことに起因している可能性があることが示唆された。

事例② 未知語の意味推測の学習方略による語彙学習の効果 ―日本の高等学校での実践に基づく検討― (高等学校・ストレート学生の実践研究)

高校1年生を対象に、未知語の意味推測の学習方略による語彙学習が学習者に与える影響と、自立的な語彙学習を行うための指導について検討した。その結果、未知語の意味推測の学習方略は、学習者の品詞の語彙知識の獲得に効果があることや、一連の指導を通して、学習者の方略使用能力や、学習の情意面、学習態度、学習意欲の向上につながることが明らかになった。

事例③ 中学校英語の物語文理解における読解活動と音読活動を関連させた指導の工夫(中学校・現職学生の実践研究)

中学2年生を対象に、読解活動で推論発問による深い読みを行った上で、それを活用した表現活動として、音読活動を行った際の効果を検証した。その結果、生徒の読解活動や音読活動への意識や取り組みに変化があることが示唆されたが、その変化や、音読活動での表現方法は、読解活動で深い読みを行えていたかどうかに影響されることが明らかになった。

その他

  • 横川博一, 定藤規弘, 吉田晴世 (編). (2014). 外国語運用能力はいかに熟達化するか:言語情報処理の自動化プロセスを探る. 東京: 松柏社. 第5章「外国語の文処理プロセスにおいて形態統語・意味情報はいかに利用されるか -眼球運動・事象関連電位からの検討-」 分担執筆
  • 令和4年度版高等学校英語教科書「CROWN Logic and Expression I(クラウン 論理・表現I)」、令和5年度版高等学校英語教科書「CROWN Logic and Expression II(クラウン 論理・表現II)」(三省堂) 著作者
  • 知能コミュニケーション技術を援用した中学校英語の学習トレーニングシステムを神戸大学、奈良先端科学技術大学院大学と共同で開発しています(令和3年度科学研究費助成金 基盤研究(B) 採択 研究代表者:神戸大学 横川博一教授)。

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