近藤 暁子(こんどう あきこ)

概要

専攻は英語教育学・応用言語学で、現在は外国語習得の個人差の要因についての研究と、映画などのオーセンティックな映像メディアを利用した指導方法開発にも取り組んでいます。

研究キーワード

  • 第2言語習得
  • 個人差要因
  • ワーキングメモリ
  • 発音指導
  • 映像メディアの活用

メッセージ

同じような指導を受けて同じように学習しても、その学習成果は個人によって差が出てきてしまうといったことを、学習者としてまたは教員として、経験されたことはないでしょうか?こうした個人差を生み出す様々な要因について一緒に研究していきましょう。

研究事例

事例① Kondo, A. (2019). The effects of verbal and acoustic short-term memory capacity on English sound recognition. Language Education & Technology, 56, 77-101.

本研究では,223名という当該分野においては多い被験者の日本人英語学習者を対象に,音韻的短期記憶力の外国語(英語)の音声認識力への影響力を調査した。実験参加者の音韻的短期記憶容量は,言語情報と非言語情報の保持能力の両面から測定した。各能力検査のスコアを重回帰分析で検査した結果,言語的・非言語的両方の記憶力が,日本人英語学習者の外国語(英語)の音声認識力に有意な影響を与えていることが明らかになった。

事例② Kondo, A. (2021). Using one feature film to enhance Japanese EFL learners’ motivation. Journal of Teaching English, 29, 71-83

本研究では,100名の日本人英語学習者に対する映画を使用した授業による動機付けに対する効果について調査した。実験群の学生に対しては1学期間映画を使用した授業を実施し,統制群の学生に対しては映画を使用しない英語の授業を実施した。指導前後に動機付けに関するアンケート調査を実施分析した結果,実験群の学生の英語学習に関わる動機付けが統制群より有意に向上したことが示された。

事例③ Kondo, A. (2021). The effects of individual differences in speaking skills of Japanese EFL learners: aptitude (phonological working memory) and attitude (L2 motivation). Studies in Language Sciences: Journal of the Japanese Society for Language Sciences, 19, 1-18

本研究では,日本人英語学習者のスピーキング力に与える2つの個人差要因(ワーキングメモリと動機付け)の影響について調査した。日本人大学生に対し,ワーキングメモリ容量を測定するテスト,英語学習に対する動機づけを測定するアンケート,スピーキング力を測定するテストを実施し,そのスコアの分析した結果,ワーキングメモリと動機付けともに,スピーキング力に緩やかではあるが相関が見られ,動機付けの方がワーキングメモリより,若干その関係が強いことが示唆された。

その他

  • 「元気がでる!映画の英語」2009年 近代映画社
  • 科学研究費補助金 (基盤研究(C)) 研究課題「音韻的記憶と視覚記憶の外国語スキル習得への影響とその要因」2018〜2020年
  • 文部科学省委託事業「中学校・高等学校における英語教育の抜本的改善のための指導方法等に関する実証研究 2016〜2019年